ジャパンビンテージ安ギターを復活させる
YAMAHA SL380は80年代に販売されたレスポールタイプの国産ギターです。
名前の380は当時価格3.8万円から来ているという潔さ。
父親の物ですが、実質所有者は僕なので勝手にやっていきます。
自分のストラトを買ってからはほぼ放置だったのですが、GarageBand遊びの効果か、「ハムバッカーのギターサウンドも欲しい~」と思い、先日実家から拾い上げてきました。
フロントピックアップしか音が出ない状態で、ボリュームのガリもあり、色々と不安なのでピックアップ以外の電装パーツをすべて交換することにしました。
パーツはサウンドハウスから標準的なものを購入。
初の作業ですが、まぁできるだろと見切り発車で作業開始!!
作業開始
最初から雑さがMAXの作業環境ですが、やっていきます。
まずは弦をすべて外します。
トラスロッドの形状はこういうので、径は8mm。
調整にあたり深さが心配でしたが、トラスロッド調整用として売ってる一般的なボックスレンチっぽいやつで届きました。
ナットも昔欠けちゃったので交換しようと思って部品は用意したのですが、今回は手が回らずまたの機会に。
オリジナルの配線処理に国産を感じる
コントロールパネルを開けたところ。
以前、自分でポットを安物に交換したような記憶があるのですが、見たところオリジナルっぽいんですよね。記憶違いか。
配線処理に丁寧さを感じ、3.8万円でよくやってるんじゃないかと思いました。
続いてスイッチプレートを外したところ。
このプレートのネジが3本中2本(写真上側)がすでに舐めていて、一本は外れましたが残る一本は諦めてドリルで頭を除去しました。
直すのはいつかやることにし、今はゴリゴリいきます。
スイッチの配線もこんな具合。
音が出ないのはスイッチの導通不良かと疑っていたのですが、確かめたところ正常に動作していました。
まぁでも交換します。
【ハンダ付け前に】半田ゴテのコテ先を交換!
ジャズベースのパッシブ化をしたときに半田ゴテの熱不足を感じたので、太めのコテ先にチェンジします。
半田ゴテのパワーは同じでもコテ先の熱容量が大きくなるとパワーが出るので、ポットのアースなど、なかなかハンダが溶けなくてお悩みの人のご参考になれば僕は生まれてきた意味を感じ涙します。
配線作業
最近プロテインバーを箱買いし毎日3~4本間食に食べています。
その箱で治具を作ったのですが、見積もりの甘い僕なので本番環境じゃないと不安があったので結局使いませんでした。
間食を取ると活動力が上がることを体感しています。
左が新しいトグルスイッチ。
キャップがオリジナルよりビンテージ感あって気に入りました。
それぞれのピックアップが何色のケーブルかよく確認して取り付け。
今回、シールド線も買ったのですが1mしか買わなかったので全部交換するには不足しそうとわかり、オリジナルのものを活かす形で進めます。
表のプレートを傷つけながら無事取り付け完了。
ようやくメインのコントロール部の配線に移ります。
2つのピックアップから伸びる線は同じ見た目なので、アース線の導通でどっちがどっちか判別しました。
色々あって配線完了。
あとで気づいたのですが、ブリッジへのアースを取るのを忘れてました。
写真左上のポットの上にある穴へ、アースにつないだ電線を差し込むだけので今度やります。
今回やりながら配線方法を調べたのでめちゃくちゃ段取りが悪く時間がかかりました。
レスポールの配線方法は色々種類があることがわかり、中でも50sとモダンスタイルに大きく分かれるようです。
上の動画など参考に、今回はオーソドックスなモダンスタイルを採用しました。
やることが決まってれば50sの音はいいなという感想です。
2021/05/13追記---------
アメリカのピックアップメーカーLindy Fralinのサイトにも配線方法についての記事がありました。
https://www.fralinpickups.com/2020/09/01/6-powerful-ways-to-wire-up-a-tone-pot/
Lindyのピックアップは今後受注生産になると発表され、国内で普通に買うなら今しかないようです。そう言われると急に気になります…。
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短くなった線を延長
アウトプットジャックへの配線が短くなって届かなくなってしまったので、購入した線材で延長します。
買った意味があってよかった。
シールド線をほぐしていきます。
芯線の周りは2重の糸で覆われていて切るのが面倒でした。
こういう時用に糸切りバサミもあるといいですね。
芯線はハンダ付け&熱収縮チューブで結合させ、シールド線は捻ってハンダを流し込みました。
なんと、交換したジャックが通らなかったので男らしくリーマーで拡張してやります。
生まれて初めて出会って一つになった国産ジャックしか今まで受け入れたことのないプレートちゃんはリーマーで2~3回こじってやると世界規格がすっぽり入るガバ穴に変わっちゃいましたよ。
完了
配線がすべて済んだらアンプ等につないで音が出るかチェック。
ピックアップをコツコツ爪で叩けばOKです。
無事に音は出ていたのですべてのパーツを取り付け、弦を張って完了!
ボティーや金属パーツがかなり汚れていたのですが、無水エタノールで拭いたらシールの跡や溶けて癒着したゴムなどが綺麗に落とせました。
塗装を傷めないようならおすすめです。
サウンドサンプル
高校生の部室を彷彿とさせる試奏をお聴きください。
今回、パーツ代が8000円ちょっとかかったのですが、まぁ8000円でこの音が手に入るなら良かったと思える結果となりました。
ただ、今のところ往年の名リフを弾くこと以外の使い道が浮かばないので、徐々に自分のなかに取り込んでいければと思ってます。
毎年、もうちょっと暑くなるとハムバッカーの歪んだ音を出したくなる衝動が湧くのでその時に活躍してもらいましょう。
ギターはギターだけどタイプが違うと弾く音楽も変わるな~と感じた日でした。